断捨離をして良い老後を過ごそう

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超高齢化社会が進む日本。近年では「終活」という言葉も浸透してきました。
一見、ネガティブに聞こえるこの「終活」ですが、実際は「人生の最期に向けてさまざまな準備をおこなったり、自分のこれまでの人生を振り返ること」なのです。
では、終活はいったいどのようにどこから始めればいいのか。実は、その第一歩として「断捨離」が現在注目されています。
断捨離とは通常、自分にとって必要なものとそうでないものを整理する方法。いったい、その断捨離がどのように終活に関わってくるのか。
ここでは、老後のための断捨離のメリットやその方法についてご紹介します。

断捨離は老後の備え

老後の備えとしておこなう断捨離には、多くのメリットがあります。
一般的に若い人のあいだで広く浸透しているイメージのある断捨離ですが、「今後の生活をコンパクトにスッキリとした快適なものにする」という大きな目的から考えると、残りの人生を全うしたい高齢者の方にこそおすすめなのです。

残りの人生の生活環境の向上

残りの人生を快適に過ごすためには、なるべく多くの時間や生活スペースを確保することで、余裕を作ることが大切です。
断捨離をし、自分にとって本当に必要なものだけを周りに残すことで、余計なものに気を捉われないストレスフリーな生活を送れるようになるでしょう。

家族に面倒がかからない

いつか旅立ってしまったときに、残された家族が故人の持ち物を整理しなければなりません。
何を残し、何を処分していいのか、判断に困ってももう聞くことはできません。
生前、自分の残りの人生のために持ち物を整理しておくことは、残された大切な家族に負担をかけないという意味でも重要なことなのです。

断捨離のやり方

執着から離れる

老後のための断捨離をおこなううえで大切なことは、執着から離れることです。ものを整理していると、思い出がよみがえってきたり、「まだ捨てるにはもったいない」という気持ちから、手放すことを躊躇しがちになります。
断捨離をおこなう際には、「今の生活に必要かどうか」を重視するようにしましょう。年齢や体力など、今の自身の状態と照らして考えてみるのも有効な方法かもしれません。

家族に相談する

すべて自分で判断するのではなく、家族の意見も聞きながら断捨離を進めることも重要です。自分が旅立ったときに、このあふれるものの片づけをおこなうことになるのは残された家族です。
自分にとって必要なものを判断して残すことが断捨離の重点ですが、自分だけの判断では、躊躇して「とりあえず残しておく」という判断も取れてしまいます。
断捨離には、覚悟や勢いが重要です。判断に迷うものは他者の意見も参考にすると良いでしょう。

片づけるのではなく、捨てる

断捨離において、ものを身の回りから「片づけて」整理するのでは、本当の意味で手放すことはできていません。
そうして残されたものは、結局いずれ誰かが処分をしなくてはいけません。
自分が元気でいるうちに、今の生活に不必要なものは迷わず「捨てる」ことで、今後の手間がかからないようにしていきましょう。

断捨離の次は生前整理も考えよう

老後のための断捨離は、生前整理の一部だと言えるでしょう。
自分にとって必要なものの整理が完了したら、本格的に生前整理を進め、人生の最期に向けて万全の準備をおこなっていきましょう。

生前整理とは

生前整理とは、自分の死後に残された家族に負担をかけないように、事前に自分の持ち物や財産などの、身辺整理をおこなうことを言います。具体的には、遺産や相続品などの整理をすることがそれにあたります。
何らかの権利を有するものや、財産関連の重大な情報を扱うものなので、ただ単に捨てて整理するというわけではなく、自分の死後、「何を誰にどう引き継ぐか」といった話も出てくるでしょう。
権利証や書類などの、残しておかなければならないものが数多くあるので、整理する際には注意が必要です。

生前整理をおこなう大きな目的も、残された家族に苦労をさせないためと言えます。ものや権利の持ち主が亡くなったあとに遺族にかかる苦労は想像以上に大変なものです。
また、財産に関わる話は、遺族のあいだでよくトラブルになりがちな問題です。こうしたトラブルを避けるためや、家族に余計な負担をかけないためにも、生前の元気なうちにしっかりと相談をしておくようにしましょう。
断捨離は自分にとって不必要なものを処分し、必要なものだけに囲まれる生活を送ることが大きな目的でした。対して生前整理は、残される家族のために何を残すかということが大きなポイントになってきます。
そのためには不要なものは処分し、残したものは財産という形で家族に引き継ぐということを考えてみると良いかもしれません。

不用品は売りましょう

断捨離・身辺整理で出てきた不用品。捨てるだけではなく、有効に処分する方法も併せて検討してみましょう。その一つに「売る」という方法があります。
もう使わなくなり自分には必要のないと思うような不用品も、売ってお金に変えることができれば、お得に処分ができます。
売れそうなものは一旦売りに出すという選択を取ることも、賢い断捨離方法の一つです。自分に必要のない不用品は、売ることでお金という価値に変えて家族に残すことも検討するようにしましょう。

手間をかけずに売る方法を紹介

不用品を売る方法にはいくつか方法があります。代表的なものでは、リサイクルショップへ売りたいものを持っていく方法がありますが、店舗まで出向く手間がかかってしまいます。
老後の断捨離をおこなう高齢者にとっては、重い荷物を持ってお店まで足を運ぶことは困難かもしれません。
現在、買取サービスの形態は多種多様で、スタッフが自宅まで来て買取をおこなってくれる「出張買取」や、箱に詰めて送るだけで買取対応してくれる「宅配買取」など、手間のかからない買取方法が多く存在します。
わざわざ、店舗に出向くことなく査定の相談から対応してもらえるので、手軽に利用できることが魅力です。

ブランド品を高く売るコツ

不用品の中にブランド品がある場合は、高い値段で取引してもらえるチャンスです。ただし、ブランド品を高額買取してもらうにはいくつかコツを押さえておく必要があります。
一つは、信頼できる買取ショップを選ぶということです。プロの鑑定士が在籍しているかどうかや、そのショップのこれまでの実際の買取実績をチェックし、信頼性や評価を重視して買取ショップは選ぶようにしましょう。
また、ブランド品の付属品や証明書などは合わせて査定にかけることも重要です。ブランド品の査定判断においては、品物の状態はもちろん、それが本物であるかどうかが最重要なポイントになります。
本物であることの証明書やレシート、捨ててしまいがちな付属品も大切に保管するようにしましょう。

まとめ

老後のための断捨離は、自分自身の残りの人生をより豊かにするだけでなく、大切な家族のためにもなります。
自分に必要のないものは迷うことなく処分し、家族の負担を増やさない。
ただ捨てるのではなく、資産として家族に残す方法も生前整理では有効な手段です。
あふれるものを整理し、自分の手元から手放すことで得られる快適な残りの人生や、家族の喜び。
老後のための断捨離が、家族とのコミュニケーションが増えるきっかけにもなることでしょう。
断捨離にとって変わる生活を想像し実践することで、今後の人生をより良いものへと導いていきましょう。