サルコペニア肥満ってどんな症状?

体重計測

年齢を重ねれば自然と太るもの?

30、40、50と年齢を重ねていくと、20代の時と同じように食べているのに体重が落ちない、贅肉が落ちないという状態になります。
多くの方がこうした状態を認識し、これも年齢のせいと諦めてしまうのですが、見た目には全く以前と変わらない状態に見えるのに、体内では筋肉が脂肪に置き換わり、若い時とは違う状態になっていることもあります。

運動をしなくなることで20代後半くらいから徐々に筋肉が減少し、80代ともなると20代の1/6程度の筋肉量になります。
筋肉量が減ると、これまで筋肉が利用してきたエネルギーが体内で余った状態になり、この筋肉の現象と脂肪の増加が組み合わさっているのがサルコペニア肥満といいます。

体重にも変化がない、肥満指数についてもそう変わっていないのに、体内では勝手に筋肉が脂肪に置き換わっている状態は、見た目にも何も変化がないので病気になるリスクが高くなっていることにも気が付きません。
サルコペニア肥満は知らない間に糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクが高くなっているという健康上、非常に問題のある肥満なのです。

サルコペニア肥満かどうか、判断するために

ではどうすればサルコペニア肥満になっているか判断するかというと、いくつかのテストがあります。
まずふくらはぎの一番太い部分を両手の親指、人差し指で作った輪で囲み、囲んだ時に足と輪の間にすきまができるかどうか確認します。
すきまが大きければサルコペニア肥満になっている可能性が高く、すきまがない、両手の指で作った輪で囲めないということならサルコペニア肥満である可能性が低くなります。

次に腕の前で手を組み椅子に座り、反動を付けないで片足で立ちあがる事が出来るか、左右で試してみてください。
この時、いずれかの足で反動を付けずに立ち上がる事が出来ないようなら、サルコペニア肥満である可能性が高いです。
関節の痛みなどを感じる場合、テストは無理せず中止します。

サルコペニア肥満にならないためには、また改善するためには

筋肉量の低下によって起こる肥満なので、食事を減らすなどの脂肪を減らすダイエットなどは、逆に筋肉のもとになる蛋白質の不足を招くためよくありません。
必要な筋肉を取り戻すためには、ふくらはぎの運動や太ももの運動などを行い、筋肉量を増加させます。

机やいすなどに手をかけて安定させ、立った状態から息を吐いて爪先立ち、息を吐いてかかとを戻す、この運動を20回ほど行い、慣れてきたら片足ずつ行います。
椅子を準備し胸の前で腕を組んで椅子にゆっくり座る様に膝を曲げて、椅子に座ることなくゆっくり戻ります。
膝は90度曲げられる事を目標として、背筋を伸ばして行います。

最初はそれほど曲げる事が出来ませんが、少しずつ慣れてきたら角度を深くしていくといいでしょう。
1回につき10回程度のスクワットを行い、これを継続的に続けていけば次第に筋肉量も増えていきます。